春の落ち葉

クスノキ紅葉
 樹木には、イチョウやカエデのような落葉樹とクスノキやマツのような常緑樹とがあります。一般的に落葉樹と呼ばれる樹木は、春に花を咲かせ、夏には葉を広げて大きく成長し、秋には実を結び、木枯らしが吹く頃になると紅葉、黄葉して、やがて落葉します。
 一方、常緑樹と呼ばれる樹木は、冬の間も落葉しませんが、それぞれの葉には、寿命があって1年~5年で枯れて落ちていきます。1枚1枚は枯れて落ちていくのですが、一斉に落ちることがないので、いつも緑の葉に覆われているように見えるのです。
 常緑樹の一つクスノキを見てみますとその葉の寿命は1年で、冬を乗り切った葉と若葉との世代交代で春の桜の時期には真っ赤になった葉が落ちていきます。この「春落ち葉」は、俳句では春の季語にもなっているようです。
 世代交代は、世の常とは言え、厳しい冬を耐え抜き、次の世代の若葉が出てきたことを確認して、愛でられることもなく、春を謳歌することもなく一生を終わる「春の落ち葉」に拍手を送りたい気がします。。

守破離

川上不白肖像
日本の伝統芸能や武道の世界で守破離という言葉が広く使われているようです。
 江戸千家:不白流茶道開祖の川上不白の「不白筆記」には、「守破離という三字は軍法の習にある。」として守破離について書いてあります。
 現代語訳では、おおよそ次のようになります。
「守」とは、師に教えられたことを正しく守りつつ修行し、それをしっかりと 身につけることです。
「破」とは、師に教えられしっかり身につけたことを次のステップで、自らの特性に合うように修行し、自らの境地を見つけることをいいます。
「離」とは、それらの段階を通過し、最終ステップで、何物にもとらわれない境地に向かうことです。

 利休の教えを記した「利休道歌」には、「規矩 作法 守り尽くして 破るとも 離るるとても 本を忘るるな」とあります。守破離と言っても大切なことは基本を忘れるなと言うことのようです。

ひとつの行動が人格を作る

William James
心が変われば、態度が変わる。
態度が変われば、行動が変わる。
行動が変われば、習慣が変わる。
習慣が変われば、人格が変わる。
人格が変われば、運命が変わる。
運命が変われば、人生が変わる。
 この言葉は、松井選手が星稜高校時代に野球部の山下監督からおくられた言葉であると紹介されたことがありますし、野村克也著「野村ノート」には、ヒンズーの諺として引用されています。別の資料によるとウィリアム・ジェイムズ(1842~1910)の言葉だというのもありました。
 私は、先輩から、「一つの行動は習慣を作り、習慣は人格を作り、人格は一生を決定する。」と教わりました。
 この言葉の出典を図書館のレファレンス・サービスに問い合わせた人がいたらしくて、その回答を「レファレンス共同データベース」で見ることができました。結論は、「インターネット検索などにより、典拠には大きく5つの説あるが、各説について詳細を調査した限りでは、出典は確認できなかった。」と言うことでした。

人づくりは大根づくりのようであれ

細井平洲 縮小版
これも昔の話になってしまうけれど、指導者講習会の講義で「人づくりは、大根づくりのようであれ、菊づくりのようではいけない。」という言葉がありました。ふとこの言葉を思い出して調べてみました。細井平洲著「嚶鳴館遺草」巻之五 「つらつらぶみ」にある言葉だそうです。
 その内容を現代的に言うと「人を教え、育てあげるということは、菊づくりの好きな人が菊を育てるようにすべきではなく、百姓が野菜や大根を育てるようにするべきなのです。
 菊作りをする人が菊を育てるのは、花の形が見事にそろった菊だけを咲かせたいので、育ちすぎた枝をちぎり、多くのつぼみを捨て、勢いよく伸びたものも短くして、自分の望む通りに咲かないような花は、花壇の中に一本も立たさないようにするのです。
 百姓が野菜や大根を作るのは、一本、一株さえも大切にするので、一つの畑の中にはうまく育ったものもあれば、出来の悪いものありますが、それぞれ食用となるのです。」
 難しいことを難しく話すのではなくて誰にでもわかるようにわかりやすい言葉で説明するというのが、細井平洲のモットーだったということです。

卒啄の機

卵の孵化
 自然界では、鳥類のヒナが孵化する時にヒナが卵の殻の内側からコツコツと叩いて孵化を知らせ、親鳥が卵の殻の外側からつついて殻を破ってやると言う現象があるそうです。ヒナが内側からつつくのを「啐(そつ)」で母鳥が外からつつくのを「啄」と言い、この自然の不思議さを表現した言葉が「啐啄同時」。この時の阿吽の呼吸を「啐啄の機」と言うのだそうです。元々禅宗からきた言葉のようですが、教育の分野では、学ぼうとする弟子に対して師匠がアドバイスする時の絶妙の時期を「啐啄の機」と呼んでいるようです。
 野鳥に詳しい人の話によると孵化期のヒナのクチバシ先端には、卵歯という小さな突起があって、か細い鳴き声を発しながら、この卵歯を使って殻を破ろうとし、これに母鳥が相応じて手助けをするのだそうです。
 しかし、ニワトリは、母鳥の助けが無くても、独力で殻を破ることが出来るようです。そのために孵卵機で卵を温めるだけで、ヒヨコの大量生産が出来ているのだそうです。家禽として育てられた環境から学んだ知恵なのか、元々自分だけで殻を破る鳥だから家禽とされたのかは不明ですが、野鳥の世界と家禽の世界では、親の行動も、子育ても違いがあるようです。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。